新刊と松田亜利沙について考えたこと(新刊ネタバレ有)
皆様おつかれさまです。てばです。
手羽先のてばです。フザけてる訳ではありません決して。
いつもお世話になっております。
ミリオンライブに入ってから早いものでもうすぐ半年です。
…え、半年!?!?!??まだ半年!?!?!??
驚きつつも僕は今も噛めば噛むほど味のでるスルメみてえなアイドルたちと劇場で過ごしています。
さて、そんなアイドルたちと過ごすうちに本を出しまして。
11/3、横浜マリネリアにて開催されたISF06に参加しておりました。
くっそ不味そうな炒飯を作りながら新刊の宣伝をするという斬新な切り口(当社比)の宣伝動画がすごい絵を書く方にRTされたりドット絵書かれたりなんと先日自分の動画で音MADまで作られ、自分がどこに向かっているかも見失いつつ周りからの期待値も高かったのでは?と思います。
頂いた感想も最多です。
嬉しいです、ありがとうございます。生きられます…。
このブログやTwitterで散々七尾百合子をいじりたおし七尾百合子に好き好き言いまくっておりましたが松田亜利沙の本を出しました。
これには大した理由がなく単純に面白そうだからっていうのがあるんですよね。
そして、本を描く数ヶ月の間松田亜利沙と付き合ってきて、いろんな考えがめぐっており今回この怪文書ブログの筆を取ったという訳です。
僕自身ミリオンライブはシアターデイズから入った新参者なのでミリオンライブ有識者の方が見て「このアホ!まぬけ!何やってるんだよノロマ!」って言われても仕方ないと思いますが許して欲しいです。
さて、多分これは世の中で松田亜利沙が気になった人類が真っ先に彼女を調べて気づくと思うんですけど
彼女、めちゃくちゃ自己評価低いです。
もう何かの度に「自分でいいのか」とか「自分はみんなについていけているのか」とか「自分が可愛いのか」とか言います。
本当だぞ。
僕のことを知るような人間は「あー、好きそう」って思うでしょう?はい、好きですね。
というのも自分のこと客観的に見るのが多分苦手なんですね彼女。自分に自信が無いというか。ていうかネガティブです。
それでいて運動神経も悪い、取り立てて取り柄もない。できることと言ったらデータ集め。
そのデータ集めの力が半端ないんですけどねこの子。データ研究においては劇場1番だと思うし、歌もダンスも研究しまくってるので再現しちゃう。
いやいやそれも立派ですよ、すごいですよ。それだって取り柄ですよ。
本人に言っても納得しなさそうだけど。
───松田亜利沙について調べりゃ出てくるような情報を延々語っていてもしょうがないので自身の新刊で書きたかったことと、多少の解説をまとめます。
今回ISF06で出した新刊
「 。」
タイトルがないです。印刷所さんに「タイトルがないんですけど…」ってマジトーンの電話かかってきて「あっっ正しいタイトルです…申し訳ありません…」って返しました。
ざっくりと内容をお話しすると
「隕石が落ちた地球でふたりぼっちになったプロデューサーと松田亜利沙の話」です。
それ以上でもそれ以下でもなくて、本当にそれだけですしどんでん返しとかもありません。
分類的には一昔前に流行ったセカイ系になると思います。
まず1ページ目。前回の本にも書いた注意書き。自分の本は万人に受けるものではないと思っているので毎回これやります。ページ稼ぎではない。
2.この日は前日。プロデューサーと街を歩いていたらしい。百合子と喧嘩してすぐ。
一切百合子のことは触れない。
「プロデューサーのこと…」
「好き」って言おうとしたけど百合子のことがあったので濁した。
3.隕石衝突
ここから約200年
4.起きる亜利沙。リボンが小さいですね、書き慣れてねえ。
「深刻なソフトウェア異常」
ちょっと予定より早い目覚め。本当はあと何年かは寝てるはずだったらしい。それについて特に解説はない。
5.律子が松田が目覚めたらアナウンスする仕組み。律子なりの優しさのつもり。
時間単位でカウントしてるので鮮明には聞き取れないと思う。
そもそも機械動くの?ってそういうの考えてたら漫画書けねえ。
起きた日付は3/19。ミリオンライブがサービス終了した日。
6.隕石が現れた理由は不明
劇場に2台設置された理由も不明
舞台装置扱い
7.松田の顔がなんとなく違う、ちゃんと描け。
「プロデューサーが一緒にいないとおかしい」
ってここで気づく。
ここの「ごめんね」は「二人ぼっちになってごめんね」とか「他の子たちに非難されたとしたら」、「生き残っても何も保証ができなくてごめんね」とかそういうの。
実際怒りは向けられたわけだけど。
8,9,10.
崩壊劇場
プロデューサーは飲み水とかを探していたわけだけど200年経ってるものを飲めるかと言ったら飲めないし劇場にあったものもお菓子などしかなかったので何か別の用途を考えてたのだろうか、うーん、わからん(?)
ゼルダの空き瓶的な使い方しようとしてたのだろうか、ペットボトルは菌が繁殖しているぞ。
ビデオカメラ。なんと動く。
これはもう雰囲気を出したいって気持ちで描いた漫画なのでもうリアリティとか撤廃しました。動きます。動くんです。
11,
プロデューサーがガタガタと散らかしてたので劇場が崩壊した。急いで逃げたので飲み水等は放置。飲んで死ぬよりマシか。
亜利沙が起きるのが遅かったら亜利沙だけ生き埋めになっていた可能性は十分にある
12,恐らくもっとボロボロなんだろう
13,書きたかったセリフ1
結局のところ他に生き残った人間がいたとしてもその人たちがきちんと生きているか、他の国はもっと酷い状況なのではないかっていうのは亜利沙にはわからないし
これから一生プロデューサーと生きることが難しいこともわかっているので「死んじゃいましょうか?」ってセリフが出た。
14,15
アイドルちゃんに怒られちゃいます。
生きる理由であったアイドルちゃんたちと少しの間とはいえ一緒に過ごしたから、「きっとみんなはこう言います」って想像をする
ひとりぼっちになったってアイドルちゃん、そして友だちに支えられている
16,
みんなは多分こう言うんでしょう。
じゃあ、アイドルちゃん以上にありさに近かったあなたは?
17,
18,19,20.
思い出作り。
松田亜利沙が最後に何かに残ろうとするのは「アイドル」が何かに残るものだからっていう気持ちで描きました。
ちなみに歌ってる曲はHOME,SWEET FRIENDSHIP。
21,
取り立てて解説することは無い
また背景素材に頼ってるなって感じ
22,
今ならどこへだって行けそうです。
アイドルとしての卒業。
タイトルの「アイドル」はいろんな解釈ができるようにしています。
本編おしまい。
おまけ:前日
15歳はかなり人間としてブレやすい時期だと思っています。特に恋愛が絡むと。
七尾百合子はPラブ勢なので
特に「自分とあの人が結ばれない」
「私は明日死ぬ」って考えるだけでめっっちゃ怒ると思うんですよね。受け入れられるほど大人じゃないです。
してるやろがい!
言った酷い言葉の中には
セリフ枠で隠れていますが「死んじゃえばいいのに」ってセリフがあります。
相当精神が追い詰められています。多分。
そして最後のコマ、
もし生きていたら〜ってセリフは
まだそれでも生きたいって思っているんですよね。無理なのに。
そもそもとして百合子たちは
「何年眠るか」っていうのは伝えられていません。
おしまい。
─────────────────────
今回の新刊で書きたかったことは
「ふんわりした話」っていうようなざっくりしたものなんですけど、実は一番楽しんで書けてたのがおまけの前日です。
セリフが出るわ出るわ。
最初はペーパーのつもりだったんですけど本編に組み込んじゃえってなって組み込みました。
恋愛が絡むと人間は変わります。
好きをこじらせると盲信に近い何かになります。
鎌田先生
高校生の時の話だ。
僕は非常に数学が苦手であった。
数学だけではない、物理も地学も苦手であった。
数字を見るともう頭痛がするくらいには苦手で、「証明って何を証明するんだよ放っておいてやれよ」とか「勝手に点Pは動くなや」などといったセリフを素で吐いていた。
数学的な考え方をするのに全く向いていない。よく考えなくても自分は小学校の時に分数でコケてから立ち上がれていなかった。
だが、そんな自分でも数学が好きになった期間が一瞬だけあった。
高校時代の内2年間僕に数学を教えてくれた鎌田先生のおかげである。
鎌田先生は数学の先生だったのだが、小太りの物腰が柔らかい先生だった(確か年齢は当時50代前半だったと思う)
面倒見のいい先生で、授業中も僕のノートを見ては「ここはこういう考え方をするといいよ」や「ここの部分が違うね」と注釈を加えてくれたりした。
結論から言うと僕は鎌田先生のことが好きだった。
今考えるとその「好き」は恋愛感情に近いものだったのだろう。
いや、恋愛感情だったのかもしれない。
高校二年三学期。
最後の数学のテストの時は僕がせめて単位を落とさないよう四日間ずっと僕のために放課後残って数学を教えてくれた。(だが単位は落とした。ごめんなさい)
テスト前日の日、鎌田先生が「頑張ったね」と言っていちご牛乳を奢ってくれた。
僕は学校の自販機のいちご牛乳が大好きで毎日飲んでいたのだが、自分の息子、娘、家族の話をしている鎌田先生を見て大好きないちご牛乳が美味しくなかった。
結局鎌田先生に思いを伝えることもなかったが、朝電車で一緒になったときには胸がドキドキしたし、理解できなかったとはいえども、先生の授業を聞くのは楽しかったのだ。
きっとそれは恋していた。
よりなが
僕が小学校の時、同じマンションに住んでいた「よりなが」という子と仲が良かった。
彼はとても頭が良く、しかも見た目がかっこよかったのだ。それでいて女子からの告白は全スルー。小学校の時の僕にはそれがたまらなくかっこよく思えた。
そんな彼と仲が良かった自分をなんとなく誇りに思ったのを覚えている。
小学校生活の4年間ほどはずっと一緒にいたほどに仲が良かったのだが、なんとなくで近くの中学に進学した自分と違って教育ママの元で育った「よりなが」は私立の男子中高一貫校へと進んでいった。
それから三年。
中学で失恋とか、ポエム作成後朗読とか、そういう事を経験してすごい勢いで過ぎた中学生活の三年目、自分と小学校のときからの付き合いの悪友たちと話していたら
「よりながに会いたいな」と誰かが言った。
みんなが「会いたい!」「受験ないなんていいよな」と口々に言う中、唯一小学校卒業後に何回か遊んでいた自分は「よりなが」に対する心象はあまり良くなかった。
何回か遊んでいた時に存在していた自分の彼女の「えりか」とその友人の「りか」のことである。
中学二年生の時、「よりなが」は「りか」と付き合っていて、「りか」はダブルデートを計画していた。
近所の映画館で一緒にバイオハザードの映画を観る予定だった。
僕は「えりか」と楽しみにしていて、多分「りか」もそうだっただろう。
当日、「よりなが」が行なったのはドタキャンである。理由は「彼女とか、正直めんどい」
バイオハザードのアクションシーンで泣きじゃくる「りか」の横でコーラを啜って映画に集中できなかったのを覚えている。
「えりか」が「最低!!!!」って言ったのも覚えている。
「ああ、そういう理由か、最低だなぁ」と自分も思い、そこから「よりなが」をなんとなく遠ざけた。
そんなことがあったので気乗りしなかったのだが、「みんなと一緒なら楽しい気分になるだろう」と自分を叱咤し「よりなが」の待つイトーヨーカドーへ向かった。
「よりなが」は確かにいた。だがその隣には丸坊主の男が。
僕らは彼を知らなかった。皆一様に顔に疑問符が浮かんだ。
よりながは言った。
「この人、俺の彼氏。」
皆は驚いていたが、僕は頭の中で「あ〜〜。なるほどね〜〜…」と思っていた。
「りか」よりもその男性を選んだということなのだ。
そう思うとなんとなくいろんなものの合点がいった。
男同士ということもあってその男性を交えて遊んでもかなり楽しかった。ボーリングがめっちゃ上手いのだ。男同士の方が気も楽だよね。
男子校に進学した「よりなが」が同性を好きになることは決しておかしくないことだったと思う…のだが
帰り際、僕を「よりなが」は呼び出した。
そして開口一番、「まだえりかと付き合ってるの?」
『もう別れたよ。俺に彼女は早かったよ』
「良かった!」
嫌な予感がした。
「男に興味ない?」
『…ゴメン…ない…』
その時の「よりなが」のすごく悲しそうな顔を覚えている。
今思い返すと彼のことを全否定したような言い方だった。
同性を好きになっているのかも、と一度だけ思うことがこの先に待ち受けているのだが、その根幹にはやはり「よりなが」の存在があるのだ。